(一社)日本ハンギングバスケット協会様全国本部講師以上対象ZOOM講習会

10月4日、(一社)日本ハンギングバスケット協会様から依頼をいただき、ハンギングバスケット協会全国本部講師以上の先生方を対象としたZOOMによる講習会をさせていただきました。
テーマは
「フラワーデザインといけばなの技術を 園芸に活かす提案」

今回、園芸の分野の先生方と関われる時間をいただける事になり、いろいろな思いが湧き上がりました。
伯父は園芸に、母はフラワーデザインに関わる人生でした。2人が共に仕事をする場面は何度もみてきましたが、根付きのものと切り花を扱う分野での線引きがはっきりしているように感じてもいました。
私自身、いけばなとフラワーデザインと、同じ切り花を扱う分野に身を置いてきましたがこの二つの分野においても当然ながら表現や技法に強い線引きがあると感じていました。

しかし時代の流れと共に生活様式も様々な変化がみられ多様化の時代となりました。かつてあった線引きされた分野ごとの垣根を越えて、お互いの良いものを吸収しながら技術と個性を高めていく時代にになっているのではとも考えています。
それぞれの分野の技術が、それぞれ分野の芸術性を高める為に必ず必要になるからです。

しかし大切な事は、それぞれの分野の特性をごちゃごちゃにするのではなく守るべきものは守りながら、でも古く取り残されていかないように正確な技術を加えて発展させる事が大切な考え方だとも思っています。

その思いをどのように講義し作品で表現するのか…大変重い課題となりました。
フラワーデザインとは?いけばなとは?を30分の講義で何をどのように伝えればよいか、何度も資料を作り直しました。

半年以上の時間はありましたので、何度も花木センターに行き希望の苗を見つけては枯れないように管理し育て、タイミング悪く育ちすぎたものや花が終わってしまったものは買い直し、切り花中心できた私にとって根のついた植物を扱う大変さをあらためて認識しました。
コンクリートだらけのスクールでは陽のあたりも悪く、アシスタント講師の庭も借りて植物の管理も助けてもらいました。

フラワーデザインにおける植生的の理論に基づく寄せ植え。
植物で作られた器と、出し入れできるポット苗とのハロウィンアレンジ。
バロック〜ロココ時代の印象をコンセプトとした花のコラージュの土台に、出し入れできる個性の強いシュスランやネオグリアの苗。
藁で作り上げたフルホルンに出し入れできるタカノハススキと月見うさぎの苗で日本の秋を。
コオリヤナギを編んだ土台とエアープランツで高さのある枠組みの花束。
グリーンシャンデリアにツルを何層にも巻きヘンリーツタの苗と切り花のコラボで巻かれた強さを表現。
多肉植物のブロンズ姫とちりめん布で作った和のオーナメントで構造的な和の見せ方。
漆喰と西陣織の生地を合わせた土台に、古木をつなぎあわせた主張の強い枝を作成、いけばな的な空間をいかし、あえて洋の花器を合わせた和と洋のデザイン。
マザーズデイ、バレンタイン、クリスマスをテーマに、ラッピングをそのまま残せる工夫をし、いただいた方が鉢物を簡単に出し入れでき水やりができるギフトの提案など、11点の実演でした。

植物が長く保たれる工夫が大前提としてのデザイン…試行錯誤の連続でしたが新しい発見もでき自分自身大変勉強になりました。

園芸の先生にはこんな邪道なこと…と思われる部分もあったかもしれないのですが、これは使えるなと思われる事を選択して園芸の分野に活かしていただけたら幸いです。

今回、対面ではなくZOOMの為、機器の不具合で進行の流れが上手くいかない部分もありましたが、難題のテーマの講習会を無事終えられホッとしています。

死ぬまで勉強…本当にこのことばが身にしみる数ヶ月でした✨

#いけばな

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