作品展を開催いたしました。
2011年4月20日 17:06
Deco
秘められた様式の階段
2011年4月14日~19日
名古屋市「ランの館」

(左)近藤久美子講師・濱田智子講師・山内麻子講師による合作
行方先生の美術史レッスンを受けただけに完璧ね。
ルネッサンス時代のガーデンを提案。
写真では分かりにくいのですが、細部まで丁寧にシンメトリーにこだわり、ヴェルサイユ宮殿の模様までも施してあります。
若い講師のアイデアと情熱に感心しました。
(後列右)丹羽講師によるシレヴェール作品
白とゴールドの大作でバロックを見事に表現。
(後列中央)鷹羽講師によるシレヴェール作品
シレではなかなか出せない色付が新鮮です。
新しいシレを提案できた作品。
黒とゴールドでバロックを表現。
鷹羽講師の生徒さんの作品
(中央)浅井さんの作品
ご自宅に昔からずっと大切にあった大理石の器にアレンジ。
重厚な器なので花材選びも吟味し、バロックを象徴するような色とりどりの花を活けました。とにかく花材選びが重要な作品でした。

主宰作品
今回の作品展では生花作品を多く提案した為、前もって制作しておけるものと思い、この作品はすべてアーティフィシャルを使用いたしました。
見に来て下さったパレの社長様に「パレさんでいただいたお花で作っていますよ。」「こんな色のあったかな?」とユニークな会話が弾みました。
器はちょっと良いものを使用する事で高級感を出し、色調を完全に合わせ、布地も厳選して入れ込みました。
完璧なバロック‼を表現。

(左)福倉さんのビーダマイヤーのブーケ
(中央)福田さんの作品
完璧なトラディッショナルスタイルです。
(右奥の絵)大橋さんの作品
大橋さんはスクールに入校してまだ間もない方です。
「様式もフラワーのテクニックもまだ自信がないけど絵なら書ける。」のひと言で私の期待は高まりました。
「一度書いてみせて・・・」期待通りの絵でした!
鉛筆だけで書き上げる花の絵・・・ルネッサンス時代にピッタリと思い、是非出品を依頼。
大橋さんは更に時代のイメージになるよう額縁を特注し、大変良い作品となりました。

主宰作品
ロココ調の椅子とテーブルに装飾を施しました。
イパーンを使用した新しい花の提案。メインはフレンチスタイルのテイストを入れ込んでみました。
キャンドルは梅本愛子講師によるオリジナルです。

今回の作品展で一番気に入っているエリアです。
パステル調の強いロココ時代に中国の文化(シノワズリー)が入り込んできた部分を表現してみました。
(左)私のデザインである香炉台にお気に入りのシノワズリの器。そこにコケ木と大輪のラナンキュラス。
来場のほとんどの方に「何の花ですか?」と聞かれました。時期的にラナンがギリギリの為、これだけは2日に一度お花を替えました。
(その右隣)林講師の作品 和を意識し、水仙の花で唐草模様を表現しています。箱もご自身の造形です。
(中央)奥田さんの扇の作品 ロココの貴族のイメージです。扇はすべて手作りのWAXで造形しています。
(その右隣)大島さんの作品 ロココのテーマを再現。何百本ものかすみ草を使用しての制作でした。


スクール創始者・坂梨悦子の作品
ファイブフィンガーを表現。花を挿しているフィンガー部分はワックスによる造形。
雰囲気のあるレースを貼ったものにワックスをかけ、アンティーク感を出しています。

主宰作品 アールヌーボー時代のもう一つの提案としてその象徴であるステンドグラスを背景に花を活けてみたいと思いました。
スクール生若手ホープの男性(尾崎君)にステンドグラス作成をリクエスト。抽象的なイメージで見事作り上げてくれました!
そしてそれを背景にネットで見つけたアールヌーボーの壺に竹・竹ひご・白百合・パフィオで和を取り入れたアレンジを提案してみました。
見に来て下さった私の生け花の師匠である吉村渓水先生は、「草月流的な要素が入った作品ね。」といっていただき、草月流出身としては嬉しいお言葉でした。
主宰作品 アールヌーボーの時代は日本の生け花文化が入ってきた時代でもあります。
それを表現したいと思い、この時代の落ち着いたトーンのイメージカラーにどうしてもオレンジ色の花を合わせたかったので、花年さんの社長様のお顔の広さに甘えさせていただき、岐阜の山奥から切り出していただいたオレンジ色のボケと作品展後半にはカラスモクレンも加えました。
このオレンジのボケは枝振りといい、大評判でした。(時期も終わっていたからなおさらです。)
ただ、生け花感覚だけではと思い、なんちゃって「ガレ」の器にアールヌーボー時代を印象づけるハスをアレンジ。敷物もハスの刺繍にピンクの配色と・・・。
アールヌーボー時代に対する自分なりの表現が出来たかなと思います。

(前列右)鈴木恭子さんのアールヌーボーをイメージした作品
ヴィッケリングしたもので曲線を表現し、アールヌーボーの器と作品の融合が見事でした。
(前列左)平野講師の作品 チューリップのちょうど良い咲き具合を保つため、ワックスを使用しています。時間と共に色が変化してきたのは偶然の効果でした。

スクール創始者・坂梨悦子の作品
権威と伝統の都ウィーンで新しい芸術をめざして生まれたシュール・リアリズム
「グスタフ・クリムト」の「接吻」のイメージをもとに自作のキャンドルとシレを用い造形した作品です。
~最後に~
今回の作品展開催は大震災間もないことから延期すべきかと大変悩みながらのスタートとなりました。
生徒さんの中にも企業に勤められる方は勤務形態に影響が出ている方もあり、中部全体リーマンに続きどんどん落ち込んでいるようでした。
いつまでも元気がないままではもっと良くないのではと考え、思い切って開催を決定すると同時に、自分達も少しでも何か行動を起こしたいという気持ちからバザー商品を沢山制作し、売り上げの一部を「義援金」及び「世界の子供にワクチンを」の協会に寄付させていただきました。
作品展は大変なエネルギーを要します。最初はワクワク感と同時に「大変だな~」という複雑なスタートだったと思います。特に今回はテーマが<様式>という難題だったので・・・。
でも、準備し、仕上げ出品し、会期中の作品管理、撤去と、やり終えた時に味わう充実感は、言葉では言い表せないほどの感動があります。だから、このような機会が大切なのだと・・・。
今回の作品展はスクール名リニューアルと共に主宰が創始者である坂梨悦子から現代表の坂梨晏彩子に代替わりした初回の展示会でしたが、来場いただいた多くのお客様から高評価を得られ、安堵致しております。
スクール美術史講師である行方先生にはずっとアドバイスをいただいておりましたが、実際のに出来上がった会場をご覧になられ、本当に驚かれたと同時に感動のあまり、二人で抱き合って涙が出てしまいました。
行方先生は「今まで美術史に関わってきたが、自分の頭に思い描いている事を実際に表現する事は難しく出来なかった。<花>を介してこのような表現が出来る皆さんがとてもうらやましい。」と言っていただきました。
出品してくれたスクール生からの「また出品したい。」「今度はもっと納得のいくものを作りたい。」という言葉を聞き、大変嬉しい気持ちになりました。
長くスクールを支えて下さっている熟年の大先輩の講師の先生方が暖かく見守って下さる中、若いはち切れんばかりのこれからを担っていく講師達が力を発揮出来る・・・そんな理想のスクールになってきているなという実感をかみしめた作品展となりました。
皆様、ありがとうございました。
代表・主宰 坂梨晏彩子

